【無人航空機操縦士】ドローン国家資格 教則の確認(第10回)機体の特徴

【無人航空機操縦士】教則の確認

ドローン無人航空機操縦士の技能証明を受けるものは、航空機を飛行させるのに必要な法的知識が必要です。
安全な飛行ができるよう「無人航空機の飛行の安全に関する教則」令和5年4月13日第3版を読んでみることにします。
第10回は「無人航空機の機体の特徴」です。

回転翼航空機(マルチローター)

(1) 機体の特徴
回転翼航空機(マルチローター)は機体外周に配置されたローターを高速回転させ、上昇・降下や前後左右移動、ホバリングや機体を水平回転させることが出来る。
大きなエネルギー消費により、複数のローターを高速回転させ揚力を得て飛行するが、風の影響を受けやすく飛行の安定性を高めるため、フライトコントロールシステムを用いローターの回転数を制御し、機体の姿勢や位置を安定させている
操縦は送信機に備わるコントロールスティック等を操作して行う。

ローターの数によってそれぞれ呼称が異なる(ローターの数 4:クワッドコプター、6:ヘキサコプター8:オクトコプター)。
モーター性能を同一とした場合、ローターの数が多いほど故障に対する耐性が向上し、ペイロード(積載可能重量)が増える。
ローターの回転方向は、時計回転(CW:クロックワイズ)と反時計回転(CCW:カウンタークロックワイズ)の方向で構成され、反トルクによりの機体の回転バランスを保っている。

 1) 上昇、ホバリング、降下
  機体に備わる全てのローターを回転させ回転数を増加させていくと、機体重量以上の揚力を得ると上昇し始める。
  機体重量と揚力が釣り合い、対地高度が安定した状態を継続するとホバリングとなる。
  ホバリング状態からローター回転数を下げると降下する。

 2) 前後、左右移動
  機体の前後左右移動は、その指示した側のローターの回転数を下げ、反対側のローター回転数を上げることで機体が傾き、ローター推力の合力が、指示した方向に傾くので、傾いた方向に機体が移動する。

 3) 水平回転
  ローターの反トルクバランスを崩すと機体の水平回転が始まる。
  揚力を得ている状態で、右もしくは左回転を指示すると、指示した回転方向のローターの回転数が下がりトルクバランスが崩れ回転が始まる。

 4) 回転翼航空機(マルチローター)と機体の動き
  回転翼航空機(マルチローター)を操縦する際に、機体の動きを指示するために用いられる用語として以下のものがある。
  ・スロットル:上昇・降下
  ・ラダー:機首方向の旋回
  ・エルロン:左右移動
  ・エレベーター:前後移動

リリー営業部長

この名前はしっかり覚えてね!


(2) 大型機(最大離陸重量25kg以上)の特徴
 回転翼航空機(マルチローター)の最大離陸重量25kg以上の大型機の特徴としては、以下のものが挙げられる。
 ・機体の対角寸法やローターのサイズやモーターパワーも大きくなり、飛行時の慣性力も増加し、上昇・降下や加減速などに要する時間と距離が長くなる。
 ・離着陸やホバリング時の地面効果等の範囲が広がり、高度な操縦技術を要する。
 ・飛行時機体から発せられる騒音も大きくなり周囲への影響範囲も広がる。

夜間飛行

(1) 夜間飛行と昼間(日中)飛行の違い
航空法では原則として無人航空機は日出から日没までの間において飛行させることになっている。
これ以外の夜間(日没から日出までの間)に飛行させる場合は承認が必要である。

日没及び日出時刻は地域により異なるため、事前に確認すること。夜間飛行では機体の姿勢や進行方向が視認できないため、灯火を搭載した機体が必要であり、さらに操縦者の手元で位置、高度、速度等の情報が把握できる送信機を使用することが望ましい。
地形や人工物等の障害物も視認できないため、離着陸地点や計画的に用意する緊急着陸地点、飛行経路中の回避すべき障害物も視認できるように地上照明を当てる。
機体に搭載されたビジョンセンサーが夜間に対応していない場合は、衝突回避・姿勢安定などの安全機能が使用できない可能性があることに注意が必要である。

(2) 夜間飛行のために必要な装備
夜間飛行のための必須装備として、無人航空機の姿勢及び方向が正確に視認できる灯火を有することが求められる。
ただし、無人航空機の飛行範囲が照明等で十分照らされている場合は、この限りではない。

目視外飛行

(1) 目視外飛行と目視内飛行の違い
目視外飛行では機体の状況や、障害物、他の航空機等の周囲の状況を直接肉眼で確認することができないので、機体に設置されたカメラや機体の位置、速度、異常等の状態を把握することが必要である。

(2) 目視外飛行のために必要な装備
目視外では補助者が配置され周囲の安全を確認ができる場合に必要な装備があり、補助者が配置できず安全を確認できない場合は更に必要な装備が追加される。主なものは、以下のとおり。

① 目視外飛行において補助者が配置され周囲の安全を確認ができる場合に必要な装備
●自動操縦システム及び機体の外の様子が監視できる機体
●搭載カメラや機体の高度、速度、位置、不具合状況等を地上で監視できる操縦装置
●不具合発生時に対応する危機回避機能(フェールセーフ機能)。
 電波断絶時の自動帰還や空中停止機能、GNSS電波異常時の空中停止や安全な自動着陸、電池異常時の発煙発火防止等の機能がある。

補助者を配置しない場合に追加する必要のある装備
●航空機からの視認性を高める灯火、塗色
●機体や地上に設置されたカメラ等により飛行経路全体の航空機の状況が常に確認できるもの
●第三者に危害を加えないことを、製造事業者等が証明した機能
●機体の針路、姿勢、高度、速度及び周辺の気象状況等を把握できる操縦装置
●計画上の飛行経路と飛行中の機体の位置の差を把握できる操縦装置


ここまで、「無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和5年4月13日第3版)」の中から抜粋して確認してみました。
個人の判断で色塗り・マーキングをしておりますので、公式ページから最新の教則を入手しご自身で確認を行うようお願いします。

リリー営業部長

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